『イノセンス』

前作 「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」 の続編であり、前作を見ていなかったり、あるいはTV版のSTAND ALONE COMPLEXしか見たことがない人は置いてけぼりな作品。 私の弟は攻殻機動隊に触れるのはこの作品が初めてだったらしく、全く意味がわからずに劇場で爆睡してしまったそうです。
とにかく難しいです。面白いか?と聞かれると面白いとは言えないと思いました。一度見ただけではどうにも理解に苦しむところが多々。長く、引用が多いセリフを必死になって聞かないといけないルールもパワーアップ。あまりにも現実離れした表現をしてくれるので、はっきり言ってどんな会話をしているのかよくわかりませんでした。私はお気に入りの映画をそれこそセリフを覚えるまで何十回と見るタイプ 『ではない』 のでどうにも素直に「面白い」と言うことができませんでした。
他、バトーさんが素子のことを「守護天使」といった芝居がかった表現で呼ぶことや、素子の登場するタイミングなんかがとても気にいらないというか、少佐は別にこの作品に出てこなくても良かったんじゃないかと思いました。
少佐がいなくなった9課がとても良く描けているのが好きです。月日が経っていて、淡々として、哀愁が漂っていて、それでもそこは9課で。そして主人公であるバトーさんの哀愁と悲壮。そこにあるのはまさに中年の人が持つ愛。そして一番好きなシーンはラスト近くのハッキングシーンだったりします。映像と口語表現は素晴らしく原作に基づいた攻殻機動隊。デコイとか探査とか。
全編に渡る映像の美しさにはまさに最先端のジャパニメーションといったカンジ。現在の技術が織り成す映像にはひたすら圧倒されます。これは本当に間違いない。この美しさだけは絶対にDVDで味わって欲しいですね。
結局、ラストシーンで少女が叫ぶ「私は人形になりたくなかったんだもの!」が最重要キーワードではないのかと考えています。色々考えながら、あと3回は見ないといけない映画。難しいなぁ・・・
この映画を見る為には、「攻殻機動隊」に何らかの形で触れたことがあること、最先端のアニメ映像が見たいことという条件が必須。しかしその条件を満たしている私ですら 「DVDは限定版に手出さなくて良かった・・・」 と思っている状態だったり。 とにかく何度も見て考え込みつつネットで議論なんかしちゃいたい人にはたまらない映画かもしれません。